和の森法律事務所 弁護士 瀬戸和宏

公職選挙法の改正と成年年齢を考える

 本日、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が参院本会議で全会一致で可決、成立した。
 今後、20歳を区切りとする民法の成人年齢や少年法の適用年齢の引き下げについても、付則で「検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と記された。

 民法では、未成年者が親の同意を得ずにした契約を取り消すことができるとしている。これは、判断能力が不十分な未成年者を保護しようとする制度である。成人年齢を引き下げたからといって、判断能力が十分になるものではない。また、最近の悪質業者の手口も巧妙になっていることを考えると、もし、民法の成人年齢を18歳に引き下げると、社会経験がない若者が、悪質業者の餌食になることは、火を見るより明らかである。若い人は、自分は大丈夫だ、と思うかも知れない。しかし、これまで多くの若者の消費者被害を扱ってきた経験だけではなく、私自身を省みても、結構、危うかったことを思い出す。

むしろ、現在、成人年齢との関係で二十歳までとしている若年者の保護ついては、例えば、22歳まで保護の範囲を広げるとの考えが有ってもよい。
 また、選挙権を有効に行使できる能力と契約に際して十分な判断ができる能力とに差があると考えれば、選挙年齢と成人年齢とを同一に扱う必要は無い。それぞれの法目的から、合理的な年齢を設定すべきである。実際、成年被後見人、被保佐人、被補助者に選挙権も被選挙権も認められているが、一方で、取消権による保護が認められている。
 民法の成人年齢の引き下げには、十分な注意と配慮が必要であろう。

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